猫と少年

猫と少年


それは真夏の  とある公園
ケンカした帰り  どしゃ降りの雨
右手でそっと  涙を拭った
僕のキライな  雨の匂いだ


傘もささずに  泣いてる僕に
君は無邪気に  そっと身を寄せた
おどろいた顔で  君を見てみると
得意気に喉を  鳴らしてみせた


水たまりに浮かぶ ふたりぼっちの空
なみだ雲浮かべて  なぞる雨音
日だまりはいつしか  足音をたて
淡く深く  ふたりにそっと  寄り添うように



それは真夏の  とある公園
揺れるブランコ  降り続く雨
泣き声が呼ぶ  どこからともなく
ボクによく似た  涙のにおい

それは真夏の  とある公園
頬を濡らした  雨色はなぜ
ぽつりアナタは  なにかを溢した
ボクらよく似た  ひとりぼっちなんだね



夏空に零れ落ちた  大嫌いだ  大嫌いだ
閉じ込めた  ずっと奥の方  痛いんだ  痛いんだ
鈍色に零れ落ちた  大キライは  その大キライは
雨解けと綻びて  「ありがとう。」



水たまりに浮かぶ  ふたりぼっちの空
なみだ雲浮かべて  なぞる雨音
日だまりはいつしか  足音をたて
淡く深く  ふたりにそっと  寄り添うように
ねぇ、僕ら  ふたりにそっと  寄り添うように



それは真夏の  とある公園
頬を濡らした  木洩れ日の雨
夏に仄めく  藍に目を閉じた
僕の好きな  君のにおいだ

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